昨年10月、覚せい剤所持の疑いで中国で逮捕された愛知県稲沢市の桜木琢磨市議。
その初公判が26日に開かれ、桜木市議は「無罪」を主張しています。
その桜木市議と事件について調べてみました。
プロフィール
- 1943年生まれ(70歳)
- 職歴:スカイウェイ産業インターナショナル株式会社代表取締役
- 当選回数:5回
2011年の稲沢市議選では1200票あまりを獲得して5度目の当選。
定数30で28番目とけっこうギリギリでしたね。
5期目ということでかなりのベテラン議員です。
スカイウェイ産業インターナショナルについて
- 1981年に設立
- 住所は桜木市議の自宅と同じ
- 事業内容:海外企業との貿易や翻訳業
- 売上高:200万円(2012年6月期)
売上高200万円ってかなり小規模ですね。
ペーパーカンパニーだったんでしょうか。
事件の概要
- 昨年10月29日、自称ナイジェリア人の男から「書類にサインすれば十数年前に遭った詐欺の金を取り戻せる」とメールで誘われて中国に渡航。
- 書類にサインをした後に「商売目的で日本にいる妻に渡して欲しい」とサンダルのサンプルの入ったスーツケースを預かる。
- 31日、上海に向かう便に乗るため中国広州の白雲空港で手荷物検査を受けた際にスーツケースの二重底とサンダルの底から覚せい剤3キロを押収。
中国当局が身柄を拘束。 - 同年12月6日、正式に逮捕。
このスーツケースの受け渡しに関与したとしてマリ人とギニア人の男2人も逮捕されていますが、自称ナイジェリア人の行方は分かっていません。
もう70歳で、しかも市議という職業にありながら、10年以上前の詐欺に遭ったお金を中国まで取り返しにいくなんて、ちょっとふつうじゃ考えられないですね。
仮にお金を取り返す目的で訪中したにせよ、親しくもない相手から荷物を預かるなんて危険すぎます。
行動があまりにも軽率すぎたと言わざるを得ないでしょう。
中国での麻薬事件の取り扱い
中国では麻薬に関連する犯罪に対しては非常に重い罪に問われます。
麻薬を運んだ麻薬運搬罪は50グラム以上で懲役15年もしくは無期懲役、さらには死刑にもなります。
中国での死刑の方法は「銃殺または注射等」となっており、裁判によってその方法が決められます。
銃殺刑がまだ残っているというのがちょっと信じられないですが、そこはさすが中国ですね。
実際、過去にも日本へ覚せい剤を密輸しようとしたとして、日本人4人を中国当局が逮捕。
2009年に死刑が確定し、翌年4人ともに刑が執行されています。
今後の展開は?
実際に所持していた手荷物から薬物が押収されていますので、罪は免れないでしょうね。
今回のように、一般乗客に荷物を預けて覚せい剤を運ばせるケースが目立って増えてきているのだそうです。
一般乗客の摘発は2007年には48件だったのが2011年には141件と3倍に。
決して他人事として考えていてはいけない事件ですね。
見つかった覚せい剤は3キロと末端価格で2億1000万円相当。
かなりの量です。
これは故意かそうでないかに関わらず、十分に「死刑判決」もありえますね。
同じ日本人として温情判決を望みたいところですが、実際かなり厳しいかもしれません。